国際社会に貢献する
若い世代の育成を
推進する

一般財団法人麗澤海外開発協会 会長 廣池 幹堂

 新型コロナウイルスの感染拡大は依然として続き、私たちの日常生活はもちろん、世界の経済活動にも非常に大きな影響をもたらしています。こうした中、多くの方の命を救うために治療にあたっておられる医療関係者の皆様、またわが国の安全保障と国防の最前線に身を置いている自衛隊をはじめ、国民の生命・財産・安全を守るために懸命にご努力いただいている関係各位の皆様に、心からの敬意と感謝を捧げたいと思います。

 麗澤海外開発協会は、総合人間学モラロジーの創建者・廣池千九郎(法学博士・1866~1938)の遺志に基づき、「開発途上国において文化・経済の発展に協力するため、国際協力活動を通じて、世界の平和、人類の安心と幸福の増進に寄与すること」を目的に、昭和46年(1971)、外務省所管の財団法人として設立されました。以来、半世紀にわたって開発途上国への貢献活動に取り組み、平成25年4月には内閣府より「一般財団法人」として認可され、今年で創立50年を迎えます。今日までご支援を賜りました多くの皆様に、あらためて深く感謝申し上げます。

 現在は、主にタイ北部の少数民族の子供たちへの教育支援、ラオスやカンボジアにおける学校建設等への支援、ネパールにおける医療支援、海外での自然災害に対する緊急支援等を行っています。また、当協会の副会長を務めたラオス出身の竹原茂・麗澤大学名誉教授の名を冠した「竹原基金」を設置して、貧困等の理由で学校に通えないアジアの子供たちへの教育支援を進めています。平成26年度からはアジアからの留学生招聘事業も行い、これまで6人の留学生が麗澤大学で学びました。

 また、最近はコロナ禍のために実施を見合わせていますが、わが国の青少年の育成に資するべく、タイ、ラオス等へのスタディツアーも定期的に実施してきました。これらのツアーに参加した学生・生徒・青年は、訪問国の人たちとの交流や現地での生活体験を通して、国際協力についての理解を深め、国際貢献の場で活躍するための知識と心を大きく育んでいます。

 世界の平和、人類の安心と幸福の増進に貢献する人材を一人でも多く育てていくことは、私たちの使命です。今後もささやかではありますが、これまでの実績を踏まえ、国際社会に貢献する若い世代の育成に力を入れ、心の通い合う国際協力をいっそう推進していきたいと願っています。